モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

2022-01-01から1年間の記事一覧

それを信奉するもの

筋トレをしている。その理由は、認められるため。この実存を内外に主張するため。俺が、俺をもっと好きになるため。 研鑽の日々である。誰に指示されずとも、自ずと行うことに意味がある。目的はなく、タスクはある。苦痛と疲弊、それ以外は何もない。漫然と…

豊かさとは生まれのことだ。それ以外にない。ありとあらゆる選択が肯定されること。それが即ち豊かさなのだ。 仕事を辞めると言い出して三ヶ月が経った。俺はもう死んだ方がいい。きっとどっかのタイミングで俺の意思は既に枯死しており、今はその余勢を借り…

遊星接近

冬の女の服ぜんぶかわいいーなどと言うこと言っていたら、夏の女の服もかわいいことに気付いた。そしてしばしば本質を逸していた己を恥じていたりする。 TikTokを見始めたのは、有り体に言えば感覚の矯正でもあった。幻想と非現実と現実の狭間で意味を持たざ…

A,うるせえよ

「藤田って何のために生きてんの?」 「幼稚なことを聞かんといてください」 …… 「それを探すために生きてるんすよ」 …… 「おお」 …… この答えは正しくない。正解は「死ね」と言うのが正しい。 なぜなら、そいつは「死ね」と言って欲しそうだったから。 「死…

間道

浅い眠りを縫うように私は外へ出た。合宿の午前四時半、この世で何よりも澄んだものは何か。それだけ知りたくて施設を後にした。明けの小路。朝の到来を待つような静けさのなか、草木とともに、こころの不安が晴れるのを待っている。スマホの明かりだけが頼…

リョナって何?

ありがたいことに、職場に俺のことを慕う後輩がいて、そいつもどうやら絵描きらしく、時々話すことがある。それで、最終的には「今度絵見せてください」とお願いされ、断るというのが一連の様式である。 これは変に気取っているとか、はずかしいからとか、そ…

心裡留保と狂熱

10月2日は会社の表彰式だった。9月度に本決算を迎え、我々の営業成績も締まり、日々の労いと賞賛、また今後の展望について大いに語らう会だった。 俺は会社を辞めようと思っているので、こんな式もうんざりで仮病か何かで飛んでやろうと思っていたのだが、結…

福よ立つ

クソみたいな気分だ。そういう日に限って、台風だとかいう災害が襲来している。有難いことに、それは慰めでしかない。もはや、破壊や死に親しみを感じてしまうほど、私の気分はクソになっている。一切を壊すか、それとも死んでしまうか。量的か質的か。より…

すべて後にして

大いなる疲労とは、尊大なまやかしである。非実在の病理は、信仰の腐敗である。 重ね重ね、私は思い願ってきた。私よ金剛たれ。 万象を跳ね除け、いつの時代も不変の堰堤を築いてきた。私は不敗である。いつかの夢も、いつかの絶望も、完膚なきまでに焼き付…

やまない雨はない。明けない夜もない。熱は冷め行く。喧騒もまた同じ。ぴしゃりと窓を閉じたように、私は独りになっていた。エンジンを止め、静止したハンドルに身体を寄せる。腕に顔を埋め、頭の中には目を閉じるか否かの逡巡。おのずと呼吸は鷹揚になる。…

いわゆる、性癖のチェイサー

朝が東の彼方から来るのならば、漆黒は体を支えるマットレスから忍び寄る。一日が終わろうとする瞬間が、沈み行く意識に対抗して浮上し、寸断の空隙もなく全身を連れ去る。夜の群れ。あらゆる現実の蓄積──記憶、疲労、達成感──を押し流し、幽邃なる静寂、無…

絶望はどこから来てどこへ行くのか

感情という構造体の胎動が増幅と逆進を繰り返している。その本質は過剰な思い込みであり、最早、感情そのものが「我に感情あり」という大いなる錯誤のために起こっている幻想なのだ。なぜなら、そんな形のないものに意味を与えるという、途方もないことをや…

わが愚劣なる内省

甘言という言葉があるように、世の中にはやたら歯触りの快い言葉だけを巧みに述べ続ける奴がいる。この一年はそうしたことを嫌いながら、徐々にそういう奴になっていった。というより、私の表皮が徐々に剥がれ落ちているだけであって、私という人間の本質こ…

芸術性と写実性

万物は創造により生まれる。私の芸術性にも限界が来た。今まで想像により賄っていたすべては飽和し、私の筆跡は写実性を求めるようになった。それは極めて悲しいことであった。最近の、芸術とエロスの結び付きが齎した誤解の所産のような気がして、またどう…

同人の詩

何万何千という人間がいる中で同じ人間は一人としてない。最近はそういう詭弁に対して厭に噛み付くようになってしまった。自己の存在が有意であるかを気にした為に、余計な疑義を挟まざるを得なくなった。いつか、大人とはそういうものだと割り切ったはずで…

¥16,500掛けてパイパンになった話

今世紀最大の無駄金かと思ったけれど、内実では期待を隠せないでいた。私はどこか自嘲的であって、今回の買物も、いつかの気の迷いだと言うことにしたかったのだ。世の中に一万六千円のカミソリを買う人間が何人いる?脱毛が覇唱する世間だぞ?そう迫る内省…

時計

自分の意思に価値があると信じているうちは主体性が明らかである。“わたし”が何をすべきで、何をしたいか、自らの欲求が他の何を差し置いて圧倒的に優先し、その正当性について一切疑義を孕まない。完全で純粋な自己意識が原初の肉体に宿っているのだ。 世界…

一月下旬、二月上旬の螺旋12層について

結局通しでクリアできなかったから動画にしなかったが、一応層毎の攻略に切り替えて無事星9を確保した。 各層撃破編成 12-1上:蒸発胡桃、下:モナタルタリヤウェンティロサリア 個人的に12層1間が最もキツく感じた。いつかの螺旋において最終層に鎮座した恒…

靄に綴じた夢

淫らな夢を見た。 会社の同僚が夜這いを掛ける。私は極度に疲弊しており、現実と夢と、そのまた夢の間に現を見ていた。駐輪場の電灯薄明かり差し込む寝室に、音のある空間では最も静やかな、拍動と呼吸のみが時針を刻んでいる。 三つに折った身体が大きなベ…

焚き火について 午後六時

火を見ているだけで良かった何ら発展性はないがそこには無謬なる平穏があった平穏の只中自己の存在が淡路島の大気に希釈されていくような気がした何者かであり何物でもない自己と揺らぐ炎との間に自らの意義を重ね眠れる時は眠り起きたる時は起きそれは命の…