モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

少年を追って

少年よ。その幼さも、幼いが故の抵抗も、今では泡沫となって消えている。期することさえなく、ただ緩やかに、我らの希望は蒸発した。我々は敗北した。少年、この、或いは敗北とさえ呼べぬ雪辱をどう思う。どう、思うのだね。 ある昼下がり、親の部屋を訪ねる…

種々

成人の日であった。 思えば二年前、まさに我々の世代が成人式を迎えた日に会した諸君であった。「故に…」という理屈こそ持たなかったが、それでも幾許の数奇じみたものを感じざるを得ない。あれより二年が経過し、新たに成人となる人間を傍から覗く機会を我…

自家中毒

7時半。依然黙する頭蓋に囁きかける、YouTubeの自動再生。雨音の敷る六畳間に音はただ二つばかりとなった。自然と人工、両者は実存を云うように騒いだ。音の起床。生命の興り。沈黙は破られ、カセットは挿される。食器を寄せる。戸棚に挙げる。──”チェーンソ…

終着駅へ

日常の隅にひとつ許せない点があるとするなら、それは、漫ろ続く地獄と形容される、ある一種の必然性である。 如何なる思考において、いかなる手段を持ってしても、どうせ同じ結末を辿るという固着。固執。執拗に求めるでもなく、ただ流れるままに帰途に着く…

無題

微塵も課題を進める気が起きない。提出期限は二日後に迫る。現実が迫る。いよいよ逃げられなくなる時が来るのに、この五体は動かない。参ったものだ。この期に及んで文章が書けなくなったか。ただ一個、無体な趣味として築いたものが崩れたのか。信じたくな…

この星辰の、星霜の、遍く銀河の許すところの、

この星辰の、星霜の、遍く銀河の許さるされざるところの普遍性、不変性の示す先に、この星辰の、この星霜の、遍く銀河に許しを乞うところの、千千とした変化があったとして、幾許もなく、立ち行かず、万古不易の本質の、敢えし乱れ狂う先の美しさという、煩…

穿くのか、穿かないのか。あるいは既に、穿いているか

「パンツって穿いてますか?穿いてませんか?」 そんな愚問はこの世に存在してはいけない。何故なら人間は十全な限り必ずパンツを穿いているのだから。だが敢えて問おう。「お前は、パンツを穿いているか」と。 俺は今パンツを穿いている。このパンツは恐ら…

傲慢の荷車

『ジョゼと虎と魚たち』を見た。去年の暮れ頃から既に上映していたようだが、見たのは初日の出を迎えてからだった。あっちの友人やこっちの友人と一緒に見に行こうかしらという約束を暗裡に交わしたような気がした。しかし、いつまで経っても水面から顔を出…

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。 一月も四日になりまして、すこし遅めに地方の祖神の元へ詣でたんですが、そのついでに御籤を引きましてですね。年が明けてから三度目になるんですが、如何せん出目がバラついております。近…