モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

ゲボ以下、犬の糞。犬の糞以下、

最低な物言いは、特に具体的な事物を必要としないのであるが、ただ相手を貶す時にどの程度の位置までぶち落とすべきかを考える時に具体的な事物は必要になってくる気がする。

例えば、ゲボ以下と言った時に、丁度ゲボの一個下に位置するうんこを想定して、相手とうんこを重ね合わせることで、自己に内在す嫌厭の意思をより実体的に理解できるというわけだ。ないし逆の立場にあれば、相手にとっての自分が、よもやうんこと等号を引かれる位置に在することを知らないでは、相手の怒りを測ることもできないのである。それを悟り、うんこ也の謝辞を述べてこそ、漸く人間の関係は拓かれるというものだ。

故に、最低を掘り続けることは肝要である。ゲボの下はうんこ。では、うんこの下は?と常に懐疑することで、人間は自己に対するあらゆる侮蔑的形容に耐えることができる。想像力なきは、このうんこの下を知らないために、自己が、神の定めし最低の規範から零れ落ちたのだと錯覚し、死ぬ。豊かなれば、うんこより下等の何者かに類することで、まだ実存の盤上に留まっていられる。往々にして、想像力なきは薄命であり、却って豊満は図太く死なない。人間よ、思索せよ。うんこの下には何がある?