モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

強い言葉は弱く見えるが、そんなものにしか興味がない

今朝は夜だった
昨日の延長線に重なる今日
停止していたものがまた動き始めた
奇跡は起こるものではなく起こすものだと言わんばかりの胎動が扉を叩いた

蓋然性七割のコーヒーを作る
冬の尖兵に掻き撫でられた喉が潤ったのは、遠い昔、或いは一月の間に置き去られた完全性のコーヒーに飢え始めるのと同時だった
しかし、これは非効率だな
誰も居ないのにそう言った
現在なのに過去と反響した

緩やかな死を思わせるものばかり
一定を刻む兄の呼吸、これは緩やかな死だ
彼は現に死に続けている
どうでもいい

指の隙間、その他あらゆる襞に挟んでいた温もりが浚われた
寂しいような気持ちと、雨を降らすでもないのに曇る空は同じだ
つまりなんの意味もない

電車が動いているのか景色が動いているのか
ひとつ言えることは、どちらも動けばよっぽど効率がいいということだけ
それ以外は全部嘘だ
隣の呼気も前の震えも全部幻覚でしかない
朝靄のあるうちしか彼らは存在できない

しかし、これは非効率だな

石鹸が洗い流したものは汚れではなく使命感だった
すべきことをしたあとの気分
或いは入浴もある種の使命感なのだろう
寝ているこいつに使命は無いのだろうか
そいつに使命を与えたのは私だ
彼に石鹸は必要だったか

今日は肉体ももってきました
まるで精神だけはいつも登校させていると言いたげな

涙の理由を探したい
物質世界の涙は蒸発するが
精神世界の涙は私に保存される
私が涙を詰問すると、彼にも魂があるのだと理解できる
何ものよりも確かな涙だからこそ

空想すれば構図は浮かぶだろう
構図を浮かべるのに空想は必要か?
本を手に取り反抗した
構図は浮かばなかった代わりに暇は潰れた

潰れた暇の体液の色が私には分からなかった