モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

衝撃

モンスターハンター・ワールド:アイスボーン
相当面白い。モンハンなど人生通してやり飽いたものと、殊更にワールドは肌合いの憎いものであったし、数寸触れて左様ならが順当と思っていたが、そんなわけもなかった。狩りの心地として良いものを感じる。従来のモンハンから離れつつも幾分かは様相を留め、まったく新しい体感となりつつ、密やかなる懐旧の念を抱かせる。モンハンというパッケージ、名称以上に実感としてそれを得る。時流の風向きもあろう。私は兄が所有権を主張しない時は専らアイスボーンに手を付けた。ファイアーエムブレム返却期日の迫りすら忘れて。


ただ、これは全く予想しない、出来ないことが起こった。やり続ける毎に懐旧が募る。いや何故?
傾向として私は、何か新しい事を始める際、その新鮮さをできる限り増幅させ、変化を富ませようとするものだ。具体的に、スマホXperia performanceからXperia1に変えた理由にも、この目新しい規格のディスプレイを含めたし、同価格程度で少し性能の良いGALAXY s10+を選択肢から下したのも、このUIが依然のAndroidと同型である一方で、Xperia1は新しいUIを採っていたため、とも言える。
これは自己認識のうえでも些事でしかない。生活の不要であり無駄であるから、実行は愛の有るかに委ねられる。つまり、たまたま、いくつかの不便を被りつつも無駄を愛せる能力が自分にはあったに過ぎない。
ゆえに、アイスボーンを新たに始める際、既存のキャラを作り直すのは必然といえた。


問題はこれであった。私は当時の印象において非常にかわいいキャラを作った。これは依然のものであるけれど、今や裏に陰鬱な翳りがあるわけだ。冒涜で、それを後悔している。何よりも、それが無意識のうちに起こったこと、防ぎようもなかったこと、完成した当時の愚鈍を呪い、あまつさえ懐旧の正体を暴いた慧眼さえ憎むほどに、影は美少女の輪郭に落ち、黒々と染めつつある。
初心は大切にせよ、というより、自ずと大切になると思う。基準が構えられるのは概ね初見時だろう。以降、同様のものを評価する際これを用いることになる。例えば、評価対象が人の印象だったりすれば基準の顔をよく思い浮かべ、故によく覚えている。だがこれは比較しようとした場合のみに引き出される資料であって、平常から机上に散らかっているようなものでは、少なくとも私はない。
蓋し、あれは悪魔の囁きであった。然るに、思考の退屈を掻き混ぜる貪欲の勝り、聞き届けたのだ。
「このキャラは非常に誰かに似ている」
─芸能人かな。確かにこんな人居たような気がする笑
─鼻とか口は小さいけど、困り気味の眉が太くて、目なんかもぱっちり開いていて強かな印象を受けるんだよね。柔能く剛能くとでもいうべき渾然一体が織り成す美形のひとつの解釈として燦然と…
「いや、初恋の相手やん笑笑」
─あ