モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

原石予算報告会【第一次改訂】

はじめに

 ずっと申鶴に注ぎ込むと言っていた原石だが、ここに来て何やら覚めが来て、思えば、申鶴に惚れ込んだ理由として、その大部分は、何の予告もなしにいきなり強ビジュ新キャラ実装を発表したミホヨの粋さに、ある懐旧(※胡桃の実装)の念を感じたためであって、申鶴それ自体については存外にどうでもよいのではないかと思案するのであった。

 しかし、覚めが来たというからにはやはり何か理由があり、言ってしまえば、鍾離さえ復刻しなければ、私は夢から醒めず確かに申鶴を手にしていたに違いない。それほどまでに、私にとって鍾離の復刻は重大事であり、三度目の復刻なれど依然褪せぬ魅力がある。

戦術的立ち位置

ガチャを引く理由のひとつに、パーティの強化がある。要するに、そのキャラ、或いは突破が、既存のメンバーに対しどれほど恩恵を与えうるかが重要なのだ。とりわけ、深境螺旋という所謂高難易度コンテンツにおいての活躍が期待されている。

 しかしながら、ぶっちゃけると最早どんな新キャラも不要なのかもしれない。現状、既に深境螺旋を毎月踏破している私にとって、新たな戦術を構築する意味は最早なく、現行メンバーの増強に勤しむのがもっとも適当な資材投資なのではないか。それは確かにそうなのである。今回、鍾離がマストになったのも、実はそうしたナイーブな事実が裏にある。より確実な方法を取るのならば、何より夢を見るべきではない。

 しかし、申鶴の戦術素養を考察することで、或いは磐石の現実を打破することができるかもしれない。現在の手持ちとのシナジーを考慮しながら、その点を明らかにしよう。

申鶴

 今公開されている情報として、申鶴は氷・物理のデバフ、また氷のバフをもち、単発型の元素スキルと設置型の元素爆発をもつサポーターである。クールタイム、必要元素エネルギー、バフ・デバフそれぞれの倍率は不明であり回転率も分からないが、多彩なキャラクターのように感じる。

 氷アタッカー、物理アタッカーのサブとして組込むのは勿論、氷元素の付与役としての立ち位置も築けそうなキャラクターである。

 パーティ例

・刻晴(氷風4)重雲(旧貴族4)申鶴(剣闘士しめ縄)バーバラ(何か)

──心美が理想。凍結する敵については無双できるが、仮に凍結無効でも刻晴を氷2剣闘士2などにし、バーバラを翠緑風ヒーラーに変えれば、バフ、デバフ盛り盛りの氷パができる。

・甘雨(楽団4)申鶴(剣闘士しめ縄)モナ(旧貴族)風キャラ(翠緑4)

──モルガナ編成。甘雨をディオナに変えるか、風枠にジンや早柚を組むのが良さそうだが、前者は火力が足らず、後者は風元素供給が難しそうである。

 自分の手持ちに組み込んで見ても面白そうなキャラクターだと思う。氷メインの補助としては断トツの性能であって、甘雨、神里辺りとは抜群の相性だろう。また、重雲と組ませさえすれば誰でもメインアタッカーを張れるようになるかもしれない。それだけで戦術の幅は大いに広がるだろう。産業廃棄物処理所に足を突っ込みつつあるキャラを救う意味でも有為かもしれない。

懸念

 富豪であれば申鶴を引けばいい。私が申鶴において何に憂慮するのかといえば、やはりロサリアの存在に他ならない。同じ氷長柄キャラであって物理デバフをもち、会心サポートを持つ極めて優秀な星4キャラ、ひいてはロサリアでいいんじゃねとの判断が常に頭をよぎる。デバフとバフの加減によってはロサリアが優位に立つ可能性さえあり、申鶴はいずれの星5と同じく倉庫番を担うことになるのかもしれない。

 また、ガチャについても懸念している。鍾離は必ず引かなくてはならない。なぜなら、鍾離は必ず引かなくてはならないからだ。ともすれば、ガチャの天井回数を考慮しつつ事に臨まなくてはならず、強いかもなという安易実直な気持ちでガチャなど引いてしまうと、お正月からお賽銭をぶちまけることになってしまう。それこそ、鍾離は螺旋攻略において常勤であり、二凸により大きく使用感が変わることを考えると、やはり鍾離は必ず引かなくてはならない。

 そして、原神のガチャは鍾離で終わらないのだ。魈と甘雨は歯を食いしばってスルーするが、その次に来るのは八重巫女かもしれない。どっかの何かが言うには、八重巫女は雷法器ヒーラーらしく、現在エウルア、フィッシュル、鍾離、ジンで組むところのフィッシュルとジンを一纏めにすることができ、そこにロサリアを新たに加えれば、エウルア主軸のパーティに革命が起こるかもしれない。そしてあの大いなる生脚である。やはりか、八重巫女。

総合的見地

 申鶴、魈、鍾離、甘雨。思えば怒涛のラインナップに思える。新規にとって、また既存にとっても何を引くべきか、それは手持ちとの相談によって決めるのが良いだろう。

 この面々を見てもやはり鍾離がひとつ抜けて魅力的であるが、汎用性が高い分創造性に欠ける。岩元素というそれ自体がやや保守的な属性であるため、鍾離は鍾離として元素反応のコンボパーツになり得ることは決してない。そのため、ある元素反応をコンセプトにしたパーティからは独立し、xiaogeoなどの単一元素アタッカーの補助として役割を担う。それでもxiaogeoは螺旋における使用率が高いパーティであり、螺旋での有効性もさることながら、普段、イベントにおいてもとりあえず入れておけば対処できるといった安心感がある。将来的にもお手軽デバッファー兼シールダーとしての立ち位置が損なわれることはないだろう。ただ一点、心美の不振と鍾離の大活躍によって、最近はシールド貫通攻撃をもつ敵が増えたこともあり、シールドというシステムがメタられつつあることは留意しておきたい。

 魈は上記のxiaogeoにおけるメインアタッカーとして役割をもつ。単体で様々なダメージバフをもち、高い継続火力と範囲殲滅力を有する。ネックとしては元素爆発の回転率と自傷による継戦能力の低さがあり、ヒーラー、シールダーによる補助を添えなくては事故に繋がる。拡散反応というより風単体の火力割合が大きく、また多くの自己バフを持つため、聖遺物の選び方次第では、元素爆発の継続時間外でもそこまで戦えないわけではない。何より強さが分かりやすいのが、このキャラの魅力だと感じる。風元素はどの敵バリアに対しても有効な点もまた魅力であり、多様な敵が出てくる螺旋では大いに活躍するだろう。ただ、こうした単一元素アタッカーは将来的にコンセプト被りを起こすかもしれない点、悲しき宿業を背負っているといえる。

 甘雨ほどサブアタッカーに適したキャラはいない。遠距離から敵を射抜く弓キャラとして正統な立ち位置を確立しており、実装から今まで一線を退いたことはない。メインアタッカーの素養もさることながら、全キャラで唯一、元素爆発の継続時間とクールタイムが同じであり、永久的に元素爆発を打ち続けることができる。これにより、氷元素バフと氷元素を永久的にフィールドに撒き続け、また、重撃による高倍率の二連融解を起こすことが出来たりと、非常に万能なキャラクターである。使用面でも非常に扱いやすく、高台の敵、空中の敵といった近接キャラたちの苦手を一身に引き受ける。弱い点は固有天賦のみという完成されたキャラクターである。

最後に

 ちょうど一年前のこの時期に甘雨が実装され、ここから原神のインフレ(甘雨、魈、胡桃)がはじまった。故に年末年始は変節の時期であり、この申鶴も、或いは原神の歴史に名を残すほどの大業をやってのけるのかもしれない。既にバフ・デバフの盛り具合が大変なことになっているが、実際に倍率を見ないことには始まらない。私は申鶴のバフ・デバフの数値を見てから2022年の原神を決めようと思う。これから何が来ようが、八重巫女が来ようが何だろうが、すべては申鶴の倍率によって決まる。

 思えばガチャ禁も長く……おお……

答申

 鍾離を二凸することの意味、その戦術的恩恵はプレイヤースキルで補えるの程度のものではないか、もしそうであって、果たしてどちらが有意かと問えば、自ずと申鶴に軍配が挙がる。という提言があり、蓋しそうではないかと思われたところである。

 先の夜、実証的意味合いにおいて先述の所謂氷刻晴を試したところ、その火力は雷剣のそれを下回り、多量の疑問符とともに夜を過ごすことになった。厳選不足もあるが、それを補って余りある会心ダメージ倍率を考慮すれば、何か詐欺じみた不可解に到達したようであった。

 やはり予想通り八重巫女の実装を待つ現在だった。素性は明かされぬし、誰かが言うには雷電将軍の復刻さえ待たれるのではないかと考えると、自己満という病に瘋癲している場合ではないと思われる次第であった。

 しかし突破という要素は殆ど富豪の趣味の域にあって安易に手を出すべきでないという考えもあり、先の鍾離二凸だ雷電将軍二凸だとかいうのは戦力として過剰ともいえ、原神の最早かすかなシビアささえ一切鏖殺しかねない外道の兵器であるとし、それならば寧ろ平穏と多様を生む新キャラ確保に手を回す方が好ましいと云うハーモニクスさえ存在する。

結論

 以上により、私は申鶴の確保を最優先に原石を分配する。