モペゾム・ド・思考

抽象性、無意味、無駄、

やまない雨はない。明けない夜もない。熱は冷め行く。喧騒もまた同じ。ぴしゃりと窓を閉じたように、私は独りになっていた。エンジンを止め、静止したハンドルに身体を寄せる。腕に顔を埋め、頭の中には目を閉じるか否かの逡巡。おのずと呼吸は鷹揚になる。…

いわゆる、性癖のチェイサー

朝が東の彼方から来るのならば、漆黒は体を支えるマットレスから忍び寄る。一日が終わろうとする瞬間が、沈み行く意識に対抗して浮上し、寸断の空隙もなく全身を連れ去る。夜の群れ。あらゆる現実の蓄積──記憶、疲労、達成感──を押し流し、幽邃なる静寂、無…

絶望はどこから来てどこへ行くのか

感情という構造体の胎動が増幅と逆進を繰り返している。その本質は過剰な思い込みであり、最早、感情そのものが「我に感情あり」という大いなる錯誤のために起こっている幻想なのだ。なぜなら、そんな形のないものに意味を与えるという、途方もないことをや…

わが愚劣なる内省

甘言という言葉があるように、世の中にはやたら歯触りの快い言葉だけを巧みに述べ続ける奴がいる。この一年はそうしたことを嫌いながら、徐々にそういう奴になっていった。というより、私の表皮が徐々に剥がれ落ちているだけであって、私という人間の本質こ…

芸術性と写実性

万物は創造により生まれる。私の芸術性にも限界が来た。今まで想像により賄っていたすべては飽和し、私の筆跡は写実性を求めるようになった。それは極めて悲しいことであった。最近の、芸術とエロスの結び付きが齎した誤解の所産のような気がして、またどう…

同人の詩

何万何千という人間がいる中で同じ人間は一人としてない。最近はそういう詭弁に対して厭に噛み付くようになってしまった。自己の存在が有意であるかを気にした為に、余計な疑義を挟まざるを得なくなった。いつか、大人とはそういうものだと割り切ったはずで…

¥16,500掛けてパイパンになった話

今世紀最大の無駄金かと思ったけれど、内実では期待を隠せないでいた。私はどこか自嘲的であって、今回の買物も、いつかの気の迷いだと言うことにしたかったのだ。世の中に一万六千円のカミソリを買う人間が何人いる?脱毛が覇唱する世間だぞ?そう迫る内省…

時計

自分の意思に価値があると信じているうちは主体性が明らかである。“わたし”が何をすべきで、何をしたいか、自らの欲求が他の何を差し置いて圧倒的に優先し、その正当性について一切疑義を孕まない。完全で純粋な自己意識が原初の肉体に宿っているのだ。 世界…

一月下旬、二月上旬の螺旋12層について

結局通しでクリアできなかったから動画にしなかったが、一応層毎の攻略に切り替えて無事星9を確保した。 各層撃破編成 12-1上:蒸発胡桃、下:モナタルタリヤウェンティロサリア 個人的に12層1間が最もキツく感じた。いつかの螺旋において最終層に鎮座した恒…

靄に綴じた夢

淫らな夢を見た。 会社の同僚が夜這いを掛ける。私は極度に疲弊しており、現実と夢と、そのまた夢の間に現を見ていた。駐輪場の電灯薄明かり差し込む寝室に、音のある空間では最も静やかな、拍動と呼吸のみが時針を刻んでいる。 三つに折った身体が大きなベ…

焚き火について 午後六時

火を見ているだけで良かった何ら発展性はないがそこには無謬なる平穏があった平穏の只中自己の存在が淡路島の大気に希釈されていくような気がした何者かであり何物でもない自己と揺らぐ炎との間に自らの意義を重ね眠れる時は眠り起きたる時は起きそれは命の…

原石予算報告会【第一次改訂】

はじめに ずっと申鶴に注ぎ込むと言っていた原石だが、ここに来て何やら覚めが来て、思えば、申鶴に惚れ込んだ理由として、その大部分は、何の予告もなしにいきなり強ビジュ新キャラ実装を発表したミホヨの粋さに、ある懐旧(※胡桃の実装)の念を感じたため…

何がクリスマスプレゼント交換会だ

何がクリスマスプレゼント交換会だ。楽しいかよ、クソが。ええ?何だ強制参加って。何にもいらねえのに欲しいもん紙に書いてだせだ、何にもあげたくねえのにプレゼント用意しろだ、何なんだ一体。俺が用意したプレゼントは怒りだよ。うんこのカスが。死ね。…

ストレス性行動欲求

この世に意味のある停滞はない。状況が変わらないというのは、それだけで罪なのだ。それゆえに、私は酷く後悔している。その過去は、熟慮という病に侵され、外出することさえままならなかった。結果として主体性を失い、自らの欲求に対して懐疑的になった。…

彼方に影

8-28(土) その普段の退屈とは異なるもののしかし退屈をかんじており、いつもなら辟易とせざるを得ない空虚さに対してあらゆる言語的表現を挟めないでいた。まるで退屈が実体の怪物として襲いかかるようであり、そういう意味でいえば確かにいつもより恐怖して…

この世はわたしの不注意でできている

私の感じ得る全ての感覚──痛み、喘ぎ、焦り──それ以外は、地球の公転に置き去りにされ、今もどこか宙をさまよう。休日に意味あらんと過ごしたあの二日が、何も成し得、また成そうともしなかった休日が、不定変則の暦上に乗っかり、歴史上から消え去ったかの…

ていうか本当に楽しかったのか

非常に悪辣な話、最近職場の先輩に唆されて恋愛の真似事をしている。 良い気はしない。ただ、悪い気がするかと言われるとそうとも言い難く、なんだかごく一般的かつごく平均的で、何か楽しげなことをやっているという感覚がぼんやりとある。悪い気がしないの…

車を出す

一年ほど前はまだペーパードライバーだった。車の運転は苦手で、苦手というよりやりたくなかった。失敗が目に見えたうえでそれに及ぶという蛮行を知れず、そういう意味では苦手だった。結局、不得手であることは今も変わらない。ばるんと走ることは出来ても…

褥瘡

痛みと痒みのどちらが耐え難いか。それを知る、その意を知る。やはり私には、痒みこそ耐え難い。 先日、学徒を辞めていよいよ本当の社会人となった。こうして見ると、晴れも曇りも前も後ろも無くなった、或いはその存在が、存在するままにどんどん希釈され、…

本学は濡れそぼる

本学は雨に濡れる。否応ない寂しさが傘に閉ざされており、雨打つ音が忽ち止水を奪い去る。波状に広がりゆくは寂しさ乃至それに対する絶望である。ざわざわと心を満たしつつある不安と狂気が樋を伝って外へと流れ行くような、土瀝青から染み出て有り余るほど…

ある偏屈を患っており

ある偏屈を患っており、この世相ごと社会を嫌っている。なんというか、拘りも、誇りさえない歌を前に、ある資本家が腕を組んでいるような感覚、そうした資本主義の産物、その隅々に対し辟易しているのは、単にそれ自体を嫌っているというか、それ自体にはき…

ガソリン洗浄剤

自らの職種にはほとほと絶望しているのに対し、それがひとたび他者の演目ともなると非常に恐縮してしまい、某人の薦めに甘んじてしまう性というものがあって、ただそういうものが単なる親切というよりかは、他者に対する憐憫というか、それ自体はきっと自己…

あれあれば美なし

美というものがイデアなのかそれとも現象なのかという難題を前に右往左往することがある。それはすなわち自らの美性を愧じることなくむしろ潔いまでの見識を蒙昧かつ強度に信仰するときと、絵が下手すぎてどうしようもないとき、それぞれの次第によって定ま…

青年の未来

哀れな話だ。かつてあれほど、他者を現象だの自意識の化体だの貶していたにもかかわらず、今の私は、今と未来に対する主体性の欠如が故に、結局は他者や乃至社会のために生きようとしている。かの学生の責任控除時代が見せた幻影だったのだろうか。あの時も…

アイスボックス

問,君は電車に揺られている。六月雨降れる午後七時の車内は少し冷える。然して、アイスボックスを持つ女子高生が空前と存在し、その友との会話は、遮蔽的なJpopによってすべてを妨げられているとして、君は、その夏の想起される音楽を前に仮定するだろう。…

毒花を抱く女について

どういう類の書籍なのかは、読み終えた今でも分かっていないが、現在する読後感を既成概念に当て嵌めれば、その分類はおよそサスペンスに近しい。まず、見えぬ謎があり、猜疑心と共に謎が膨らみ、最後には見えるようになるというのは、サスペンスの常套手段…

強度の欺瞞

かつて善性は存在せず、それを説明する言い訳だけが存在するのなら、私は敢えて、それを善性と呼ぶだろう。 結局、私の直感は正しい。この道に悟入してから改めて言おうと思ったが、人に不要なものを買わせる行為は、悪そのものだ。そして、それが高額であり…

満員電車の善性

満員電車の不快指数は底知れない。特に梅雨に入ったこの時期はつくづく思う。満員電車とは悪性の塊であり、人工の害なのだと。しかしながらそれは、結果的には人間の欲と愚鈍さの募る悪であったとしてもその成り立つ過程には少なからぬ善意が関与しているの…

赤く呆けていたい

究極的には我々は20代ですべての活動を終了しなくてはならない。死というただその一概に固執せずにいるのなら我々の希求する世界の真理を暴くために費やせる時間は生を受けて30年の頃にしかない。私はこの畢生を決定付ける確信をこのおよそ8年で見出さなくて…

暫定的行動指針(5月11日)

私がある頃より蓄えたある欲望のうち、何を実現し、何を却下するか、その取捨選択を連綿と続けることで漸進的かつ現在性のある人生を歩めると思う。言葉は媒体でない、我々こそが言葉の化身なのだ。これは、現段階(5月11日)において当座的な立案である。 …